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2023 Ironman World Championshipに参加してきました!
ハワイ島のコナで毎年10月に開催される世界選手権で、各国のアイアンマンレースで参加資格が与えられた選手のみ参加できる大会です。今年は男女別国開催となり、初めて女子だけの大会となりました。
私は人生初ハワイ!まさか初ハワイがトライアスロンレースになるのは想定外でしたが、これでみんなに舐められなくてすみます。
スイム会場で試泳したときには、ウミガメやイルカの群れにも遭遇!さすがハワイ!
今思えば、青トラに入った頃は、スイムは1番遅いレーンで泳いでいたし、バイクは初レースで40キロ2時間近くかかっていたし(時速20キロ!)、ランはサブ4達成に何年もかかったし、こんな私がこんな偉大な大会に出場できるようになるなんて、青トラには感謝です。
昨年11月にコナの権利をゲットしてから約1年間、私なりに真剣に取り組み、やれることはやって臨んだこの大会。時間もお金も使ったし、楽しい誘惑を我慢したりもしました。そこまでした価値はあったと思います。その割にはいまいちなレース内容だったのが無念ですが、ある先輩に教わった「コナは1人ひとりのWinning Road!」という言葉の通り、スイム3.8キロ、バイク180キロ、ラン42.2キロという長ーいWinning Roadは、これまでの全てをプラスに変換させてくれたと思います。
<スイム>
スタートは、エイジ別。45-49カテゴリーは最後尾スタートで、最初のエリートから約1時間後。
コースは3.8キロノンストップで、スタート地点からは見えない船を折り返す。私にとっては久しぶりのフローティングスタート。世界の強豪が集まる中でも、えらそうにさっさと前に出る。世界ではきっとこういう図々しさも大事なはず。
私はふだんからドラフティングよりも自分のルートを泳ぐのが好きだが、周りを見るとそういう人が意外に多い様子。多少の接触はあるものの、無理な接触はなく、ストレスは少ない。船を回って折り返すと、前のカテゴリーの人が増えて少し混雑するが、問題なし。途中ゴーグルが外れるアクシデントはあったものの、いい感じでスイムアップ!
タイムを確認すると・・・あれ?こんなにかかったの??おかしいな。まあいいっか。先は長い。
T1でスイムスキンを脱ぎ、腰にクルクル丸めていたトライスーツの上を着て、のんびり補給食をモグモグ。相変わらず濡れたトライスーツを着るのは時間がかかる。
<バイク>
スタート直後は街中を走るが、とにかく人が多く、ドラフティングルールを守るのに一苦労。のんびりのんびり。先は長いから慌てない。
街中を抜けてクイーンKというハイウェイに入ると、道幅も広くなり人も散らばるのでがぜん走りやすくなる。コースはここをひたすら北上して帰ってくるだけ。
が、前半からまったくスピードもパワーも上がらない。何かがおかしい。外人選手にどんどん抜かれるだけでなく、日本人選手にもどんどん抜かれ、自分の体調にも危機感を感じる。単に体調が悪いのか、もしかしてハンガーノックなのか・・・?コナまで来てこんなチンタラしたペースでサイクリングしている場合ではなく、体調は優れないものの補給食はまだ受け付けることを確認して、エイドごとに吸収の早いジェルを複数もらって追加投入することに。あんなに修正を加えてきたライディングフォームも、全く意識する余裕なし。あーあ。
コナのコースは永遠に緩やかなアップダウンが続き、90キロ過ぎの折り返し地点に近い場所では、強風(横からの突風も)がトッピングされるのがデフォルト。
折り返し直前の長い登りをなけなしのパワーで登り切ると、徐々に復活!復路はずっと向かい風という悲惨な風向きだったが、元気を取り戻した私は驚異の爆走!!どんどん抜く!本当にどんどん抜いたと思う。
復調のタイミングが遅すぎて前半の不調を取り戻すには至らなかったが、途中で立て直すことができたのは、そういう練習を何度もやってきたから。諦めなくてよかった。この経験は今後の補給戦略に反映しないといけないな。
バイクパートのタイムは目標レンジを大きく下回ってしまったが、終わったことはクヨクヨしない。こういうこともある。せっかくのコナでレースを投げ出しちゃダメだ!
T2でランシューズに履き替えていると、隣の外人とおそろいのシューズで盛り上がる!サッカニーはかなり少数派なので、お互いビックリ。
<ラン>
スタートから悪くない感じ。でも、とにかくスピードを抑える。調子に乗ってはいけない。ここからあと42キロもある。
途中でトイレに行きたくて、簡易トイレを開けてみたら、なんか、すごいことになっていてそーっと閉める・・・次のトイレどこかな。
日中はまだまだ暑いので、ジップロックに入れた氷を両手に持って走り、エイドごとに氷を入れ替える。街中は賑やかだが、例のクイーンKに入ると、急に音が消えて修行モード開始。
エナジーラボという施設内に折り返し地点が設けられているが、折り返しに向かう道の西日がとんでもなく眩しい。まったく前が見えず、眩しさのスケールも桁違い。その後の夕焼けは絶景で、この時間にここを走れて良かったと思った。
私はいつも時計を見ずに感覚で走ってしまうが、この日も距離もペースも一切見ないまま。たまに登場する路肩の距離表示はマイル表示なので、頭の中でキロ換算。こうやって貴重な糖を無駄に消費する。
日が暮れると、ほぼ真っ暗に。新月で月明りも期待できないので、持参したライトが頼り。30キロを過ぎると、身体はもうドリンクすら受け付けない。でもいつものこと。ゲータレードと水を一口ずつ含み、走り続ける。エイドだけは歩いてもいい。いつものマイルール。そういえばコーラ飲むのを忘れていたな。終盤はコーラを連続投入。ぬるい。
修行僧のように黙々と走っていると、徐々に見慣れた景色になり、街灯も増え、応援も増える。ここまでくれば、あと2キロ。コナスロットを獲得したマレーシアのときは、最後の2キロがアホみたいに長かったが、今回はそんなに長くない。
レッドカーペットだけは歩こうと思っていたが、意外に余裕があるので、前の人のゴール写真に被らないように注意して(アイアンマンはこれが重要と教わった!)ゆっくり走る。レッドカーペットのはずが、その上にアイアンマンロゴがついた黒いカーペットが敷かれていて、見た目は黒。これはレッドカーペットとは言えないと文句を言いながら、無事ゴール!
本当はゴールするときのポーズを決めていたのに、いきなり照れ臭くなって中途半端なポーズに。感激して泣くかなと思ったけど、意外に冷静にゴールしてしまった。
<総括&その他>
初コナは楽しかった!
私には、「世界のレベルは高い!」というよりも、「世界の強豪女子たちも疲れてペースダウンするんだ!」という事実のほうが新発見でした。疲れなんて感じないバケモノだらけなのかと勝手に思っていましたが、そんなことはなくて安心しました。
皆様、多くのアドバイスや応援、ありがとうございました!
今度は、エイジが上がる4年後に、もう1回コナを目指してみようかな、なんて思っています。ついついまた手を出したくなるなんて、コナってなんだか麻薬みたい。
来シーズンは、2018年のスコットカップに続いて、オンヨネカップを狙ってみます!(同士募集中)
posted by 2023.10.23 | メンバー