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会員♯126の高山です。
フルマラソン4時間50分というビギナーの私が、チャレンジ富士五湖というウルトラマラソンレースに参加してきました。一度は諦めたもののなんとか復活して完走したこのレースについてご報告させていただきます。
チャレンジ富士五湖は、富士山の周囲にある5つの湖(山中湖、河口湖、西湖、精進湖、本栖湖)を周りながら112km、100kmまたは72kmを走るレースです。
私は“ビギナー”クラスの72km部門に参加しました(72kmは河口湖、西湖、精進湖の3つの湖を周ります)。
前日が選手受付のため山中湖の民宿に一泊しました。東京からの専用バスで会場に到着したところで冷たい雨が。何やら悪い予感。夕食のレストランでカーボローディングを済ませ外に出てみると、雪が降り積もっていました・・・。
少し肌寒いくらいかなと予想してウェアを持ってきたもののこんなに寒くなるとは思ってもみず少し焦りましたが、手持ちのTシャツを重ね着することにし、エイドにおく荷物の支度をしなおしました。(ウルトラマラソンでは、途中のエイドに予め自身で用意した荷物を置いておくシステムがよくあるようです。今回は42km地点に替えのシューズとTシャツを入れておくことにしました。あとはご褒美のおまんじゅうも・・・)
112km、100km、72kmのスタートはそれぞれ午前4:30、5:00、8:00で、ゴールが同じ時間(19:00)に設定されています。
午前3時頃だったでしょうか、112kmと100kmレースに出発する仲間を宿の玄関で見送りました。外は相変わらずのザーザー降りでしたが、雪ではないだけマシか・・・と皆、苦笑しながら前向き発言。必ずゴールで出会いましょう!と約束し送り出しました。
その後、わたしは興奮からか、あまり寝ることができないまま、6時に起床。宿朝食のおにぎりを3つほお張りエネジーチャージ。送迎バスに乗り込みスタート会場まで向かいました。
会場に着いても、一瞬でウェアに染み渡るほどの雨、そして寒い。周囲は降り積もった雪で真っ白。ここスキー場・・・?と思うほど。
スタートまでの待ち時間、「寒い」「ありえない」とみんなぶつぶつ言いつつ、それでも足はスタートラインに向かう人たち。つくづく変わった人たちだなぁと思います^^
凍える雨の中、8時にスタート。最初は青トラ仲間に付いていたのですが、10kmくらいで見失い、長い一人旅が始まりました。
河口湖を過ぎ西湖のあたり、距離にして20-30km地点から、雨が止まないうえ気持ちも滅入ってきて、ペースダウンし始めました。
足が思うように前に進まないまま、3つ目の湖、精進湖へ向かいます。この湖を抜ければ42kmの地点ですが、途中の橋のアップダウンや長い上りに完全に気持ちがノックアウト。この頃にはキロ12分の走りになってしまっていました。予定ではキロ8分のイーブンペースでぎりぎりゴールの計算だったので、少しずつゴールが危うくなってきているな、と感じてきていました。
42kmのエイドに着くころには雨も弱くなってきていましたが、寒さは相変わらず。エイドで用意されている自分の荷物を受け取り、身体が冷えないようにタオルで身体を拭き、ゆっくりと濡れたTシャツとシューズを着替えました。ご褒美のおまんじゅうを食べたら、気分が少し持ち直しましたが、このあと、履き替えたシューズに悩まされることになります。
履き替えたシューズはほとんど履いていないものだったのですが、クッションもあるため、後半の足への衝撃を和らげるには良いだろうと選んだものでした。ですが、42kmエイドを出発してすぐ違和感が。足のむくみと靴ひもの調整がうまくいっていなかったのか、左足首が痛みだしました。痛みを我慢できずに歩く、走るの繰り返し。さらに、寝不足のため眠気も襲ってきました。
そして52kmのエイドの手前になると「52kmでも上出来。こんな状態では間に合わないから、ゴールは諦めてとりあえず制限時間にひっかかるまで歩こう」と、完全に気持ちは諦め。あったかいコーヒーを飲んでエイドをとぼとぼと歩いて出ようとしたところ、大会スタッフの方がこんな言葉をかけてくれました。
「次の最後の関門(67km)に18:00くらいで到着すれば、ぎりぎりゴールに間に合うよ!!」
時計を見て計算すると、15kmをキロ7分で走ればいい計算。もうどうやっても無理だと思っていた私は、「そうか、まだ間に合うのか。それにキロ7分はできない速さじゃない。」
そう思った瞬間、力がぶわっと出てくるのを感じました。
そこから、何がなんでも完走目指そう!という気持ちに切り替わり、脇目もふらず前だけみて走り続けました。いつのまにか足首の痛みも感じなくなっていました。
わたしを抜いていった人たちをぐんぐん抜き、5km走って57kmのエイドに。歩かず走れた!というのが更に自信につながりました。あと10kmで最後の関門67km。カッパやウィンドブレーカーを脱ぎすて、気合を入れ直し、そこから自分でも驚くほどの速さで走り続けました。この10kmの間は平地だったこともありキロ6分くらいで走ったと思います。
無我夢中で走って、67kmエイドに18:05に到着。
なんとか完走圏内にきた、残り5km?!と喜んだのも束の間、このあと続く3kmは上り。聞いてないよーという思いと、もう体力が残っていないよーと何度も何度も思いましたが、ここまで来て諦めるのはあまりにも悔しい。精神的にも一番つらかったですが、周囲はほとんどの人がゆっくり歩いているのを後目に、歩く、小走りの繰り返しで3km登り切り。その後の2kmは下りでしたので、ここぞとばかりに飛ばしました。
ゴールのあるトラックに入る前、ゼッケン番号を確認され私の名前が呼ばれました。もしみんなが待っていたら気づいてくれるかな?とか、でも帰るバスもすぐに出発するし、もうみんないないかな?と考えつつ、トラックに入ったところ、青トラメンバーが!すごくうれしかったです。大きな声援を背に18:49、制限時間11分前にゴールできました。
後に発表された完走率をみますと、昨年に比べ100km以上の距離での完走率が大幅に低くなっており、いかにコンディションが悪かったのかがわかると思います。
・72km: 男子80.6%、女子71.0% (昨年:男子81.0%、女子77.7%)
・100km: 男子51.3%、女子41.5% (昨年:男子71.3%、女子64.7%)
・112km: 男子38.8%、女子31.8% (昨年:男子64.3%、女子51.2%)
今回、このような悪条件の中で72kmという長距離を走れたことは、とても自信につながりました。これからもトライアスロンでもミドルやロングにチャレンジしていきたいと思います。
最後になりましたが、とても寒い中、対応してくださった大会関係者の方々、応援してくださった沿道の方々、一緒に走ってくれた仲間に本当に感謝です。
posted by 2013.05.15 | メンバー