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会員番号182の久保です。
私のロングデビュー戦である今年4月の宮古島トライアスロンは、完走こそできたものの、人生初のハンガーノックを経験し、ロングディスタンスレースへの課題を突きつけられるものとなりました。
レース後も体のダメージが大きく、重度の腰痛と、真っ赤に腫れあがった足底のせいで1週間程かかと歩きのまま仕事をする破目に。
佐渡国際トライアスロン大会は、昨年Bタイプに出場し、バイクで島を半周した際、「来年は絶対1周したい!」と思って参加を決めました。
ただ、宮古の時の体のダメージを思い出して、日程が近づけば近づく程不安と恐怖にかられる日々。
そんな私に河原コーチがくれたアドバイスは、
「スイムを制限時間(2時間30分)いっぱいで泳ぎ終えたと仮定して、バイクをave.25キロ/時で走り切り、ランをキロ7分で走れば完走できます。」というものでした。
不安要素はバイク190キロ分の腰痛を抱えながらのラン。
本来の使い道ではありませんが、今回は腰痛対策としてDHバーを投入しました。
ピッカピカのDHバーのついた自転車を、さぁ組立ようとすると、なんと輸送中にDHバーを支える部分がゆがんでしまったことが発覚!
大会会場のバイクメカニックにもあっさり匙をなげられてしまったため、190キロをDHバーなしで走れと宣告されたのと同じ、と半泣きでした。
結局会場内で出会った知人がものの3分で直してくれ、危機を脱しましたが、レース前からトライアスリートとしての未熟さを痛感させられる一件でした。
大会当日はもちろん朝3時起き。
佐渡出身のメンバー仲田さんが4時くらいにお迎えにきて下さり、大会会場へ。
私一人のためにこんなに早起きをさせてしまい、申し訳ないと思っていましたが、疲れた様子も見せず明るく送りだして下さいました。
ボディーマーキングを終え、試泳に向かう時、河原コーチ発見!!
感動のハグはフィニッシュ後にとっておきたかったけど、いつも通りのサービス精神でハグしてくれました。フィニッシュ後は汗だくの泥んこだから、きれいなうちにハグできて良かったのかもしれません。
水温は27℃と丁度いいくらい。
スタートしてからも、「お魚さんきれい!」なんて思いながら気分良く泳いでいましたが、2度程男性のキックが私の頭蓋骨に命中し、脳震盪をおこすんじゃないかと思うくらい痛かったです。
岸に戻るルートは進行方向から波がザバザバ押し寄せる感じで、コースアウトしているのは分かっていても、かいてもかいても前に追いつけない。時間も体力もかなりロスした気がします。
スイム-バイクのトランジションで、応援してくれている仲田さんに手を振り、バイクパートへ。
バイクコースは坂3つと聞いていたけど、そんなことはありません!
大佐渡はほとんど全てアップダウンの連続。
しょっぱなから7%の坂で、聞いていたのと違うよ?!と叫びたいくらいでした。
Z坂は思っていた程の斜度はなく、上りきった所からの絶景は宮古島に勝るとも劣らない、もしくはそれ以上の美しさでした。
その次に大野亀という所にきつめの上り坂があるのですが、ウィキペディアには斜度10%と書いてあったのに、実は12%もあって…V字カーブなのでラインどりを工夫すればもうちょっとゆるくすむのかもしれません。
大佐渡の北端まで行くと、そこから両津港まで下り坂になります。
今回の最高時速62キロ/時を出したのもこの区間で、苦しんだ分たっぷり楽しみました。
小佐渡に入るとほとんど平坦な道です。残すは小木の坂のみ。
下りでつけた勢いにも助けられ、海岸線を気持ちよく疾走。
前半は追い越される一方だったのですが、この頃になると徐々に周りがバテてくるらしく、追い越す一方になってきました。
所々にある長いトンネルも氷室のように涼しく、ゆるやかな下り坂になっているのでDHポジションで走ると最高に気持ちがいいのです。
待ちうける小木の坂のことを思っても「たかだか7%でしょ?ウッドマンなめんなよ!」と妙に高揚した気分になっていました。
いよいよ小木の坂。
ランに足を残しておきたいので、立ちこぎは最小限にしたいと思っていましたが、7%というウィキペディアの情報はどこからきたものなのか?実際には最大斜度11%で、Z坂や大野亀と同程度でした。
不意をつかれたこともあり、160キロ以上走ってきた足の疲れもさすがに感じましたが、きつい坂は長くは続かず、あとはゆるやかな上り坂がだらだら続く感じだったので、無事予定通りの時間でバイクフィニッシュをむかえました。
懸念された腰痛もDHバーのおかげかさほど感じず、ランパートへ。
Aタイプのランはスタート後、フィニッシュ間近のBタイプの選手とすれ違うことができます。
青トラメンバーとも何人かすれ違って声をかけあっていたのですが、見ると、両腕を上げて大きく振り、満面の笑みで立ち止まってこちらを応援してくれている青トラメンバーが!
「だめだよとまってちゃ!あと2キロなんだからラストスパート!」と言うとあわてて走りだしましたが、人なつっこい笑顔にとても元気づけられました。
ランは最初からキロ7分ペースでした。
疲労のたまった足で、最初からこんなペースで走っていたら後半もっと失速して制限時間に間に合わなくなるんじゃないかとずっと不安でしたが、自分でも不思議なくらい同じペースを保って走ることができました。
ランは、とにかく暑かった!!
特に13キロ地点あたりから折り返しの17.7キロ地点まではおそらく西に向かっていたのでしょう。
真正面から照りつける太陽に耐え切れず、下を向いてしまうくらいでしたが、エイドでもらった氷をバイクジャージの中に流し込み、暑さをしのぎました。あの氷、本当にありがたかったです。
17.7キロ地点の折り返しで反射タスキを渡され、25.6キロ地点の折り返しを過ぎたころにはとっぷり日も暮れていました。
そんな中でも、地元の人々の応援はやむことはありませんでした。
中にはレースそっちのけで世間話に花をさかせているおばちゃん達もいましたが、小さい子供たちが「頑張って―!」と選手一人一人に声援を送っている姿に、涙、涙、涙。
暑いだろうに、蚊に刺されるだろうに、丁度夕飯時なのでお腹だってすいているだろうにと思い、「ありがとう」と「すみません」という言葉しか出てきませんでした。
おそらく35?36キロ地点あたりだと思いますが、田んぼの間を走ります。
そうです。知る人ぞ知る灯篭がおいてあるところです。
すごくロマンチックで期待していたのですが、それ以上に実際走ってみると灯篭でもないと田んぼに落っこちてしまうのではないかというくらい真っ暗で、灯篭がおいてない部分は遠くにある明かりを目指してなかば手探り状態で進むしかないということが分かりました。
あの灯篭はムードを盛り上げるためではなく、安全のために設置してあったのですね。
エイドでさらにコンサートの時つけるような光るブレスレットをもらい、最後のエイド、八幡WSを迎えました。
ここで最後のミッションが。
宮古のフィニッシュ写真は髪がボサボサだったので、今回はフィニッシュ写真にもこだわりたかったのです。
最初から水をかぶると足の皮がふやけてまめができてしまうと思い、最後のエイドで水をかぶるとスタート前から決めていました。
かぶった水で髪をなでつけ、いよいよフィニッシュへ。
関口さんに完走目標タイムを聞かれた時、「7時30分より早くにゴールすることはありませんから」と答えると、お迎えは7時に宿を出発するとのことでした。
会場まで車で40分くらいでしたが、なにせレース後だし、お酒にジャグジー、日本海に沈む美しい夕日と誘惑がたくさんあるし、私のフィニッシュは結局夜8時13分くらいだったのですが、間に合わないだろうなぁ…と思いながらフィニッシュ会場へ。
河原コーチと中島コーチが応援してくれていたので、手を振って、髪をなでつけてからゴール!!!
案の定、お迎えに来てくれた関口さん、ミサ姉さん、段原さんは遅れて登場。
本当は同伴ゴールにもあこがれていたのですが、これも青トラならでは?
しかも、関口さんの携帯で撮った4人の写真もピンボケというあり得ない結果に…これも青トラならでは??
会場から御飯処に直行し、他の青トラメンバーに会えた時はホッとしました。
みんな自分なりに満足のいく結果を残せたって、顔に書いてあったから。
レース翌日は表彰式を見て帰る予定でしたが、疲労を訴えるメンバーも多かったため、表彰式には出ず、佐渡観光もせず、混雑を避け早い時間のフェリーに乗りました。
彼らは両津港で飲み、新潟駅で飲み、新幹線でも他の乗客から注意される程飲み、さらに東京駅でお別れした後も飲みに行っていたメンバーもいたらしく、これだけ飲む元気があるなら、佐渡観光くらいできたんじゃないかしら?と若干腑に落ちない気分でした。
これも青トラならでは???
そうは言っても、数々の誘惑を一旦断ち切ってフィニッシュ会場にお迎えに来て下さった3人をはじめ、メンバーのみんなが待っていてくれると思えばこそ完走できたと思うので、佐渡ツアーでご一緒したメンバーには心から感謝しています。
願わくば、来年こそは会場近くの宿で、愛すべき酔っ払いの皆様とも同伴ゴールできるようなツアーになりますように。
そして来春にはトキを間近で見られる「トキふれあい施設」とやらもオープンするらしいので、有志を募って佐渡観光もして帰りたいです。
ロングだけに長----い感想文でしたが、最後まで読んで下さり、ありがとうございます。
来年から参加資格も厳しくなってしまった佐渡国際トライアスロン大会ですが、我こそはと思うメンバーの方がいらっしゃいましたら、是非来年ご一緒しましょう!
posted by 2012.09.20 | メンバー